スペイン・アルゼンチン 合作

スペイン巡礼の地 ガリシア州サンティエゴでのお話し。
人生の味を変えるチャンスは、毎日50万回もあるというナレーションからスタートする。

ストリート・ミュージシャンのエデュは、
今日も路上で歌う。そこにマケドニアから来て、チョリソを盗んだ青年スパセックが来る。
一緒に歌おうとエデュを誘うが断られる。

前夜から飲み明かした二人の男トットとフランは、いとこの家に入り込む。
いとこのヴラディミルは愛しく思うラウラを待っている。
ヴラディミルをからかいながら、二人は朝食を楽しむ。

ソルは、夫と息子の朝食の準備をする主婦だ。
悪夢を見たという息子ガエルの話を聞きながら、今日も息子を学校に送り出す。
そしてビールを取り出し飲むソルに、夫は不満顔だった。

美味しいお料理を出すと定評のあるレストランのウェイトレスのアナは、お客のファンと共にファンの弟のビクトルの家に昼食を食べに行く。
弟のビクトルはゲイでだったが、その事は兄のファンには隠している。
自分と同じ体育教師と偽ってビクトルは彼を兄に紹介するが何かがギクシャクしていた。

ついにファンとビクトルはケンカを始める。
弟がゲイであることが分かってしまうが、そのことを認めることのできないファンは、怒り傷つくが、ビクトルは『これが自分なんだ』と譲らない。

夫と子供を家から送り出したソルは、数年前に別れたエデュを昼食に誘う。
ソルはエデュの夢を見たと話す。
淫らな夢だというソルにエデュは戸惑いを隠せない。
ソルの気持ちを理解しようとするエデュだが、時の流れは二人を引き離したのだろうか。

ラウラを待つヴラディミルは、朝食・昼食を振られて、いよいよ夕食の準備をする。
二人分の食事を一人で食べるヴラディミルは、夕食の準備をしても現れないラウラに彼は伝言を残す。
もし来るようだったら連絡してほしいと…。

歌手志望のロカーナは、地方を回る楽団にオーディションを受ける覚悟をする。
そのオーディションを主催する父親と息子の前で、まさにテストを受けようとしたその時、主催者の父親が食べたもので具合が悪くなり死んでしまう。
どうしていいのか分からず、ただおろおろし、うろたえ、狼狽する息子とロカーナ。

レストランで落ち合う初老の紳士と娘のような年頃のヌリア。
ヌリアは一緒に暮らしたいと言うが、紳士は応じない。
もし別れることがあるならその時の孤独に自分が耐えられるかどうかが分からないと言う。
涙ぐみながらヌリアは彼に別れを告げる。

朝食、昼食 夕食と、いつも共に食べる老夫妻。
いつもの席でいつもの相手と今日もふたりは一緒に食事をする。

夜になって、エデュはストリートで歌う。
そこにやって来たマケドニア人のスパセックと歌う。
陽気に歌う。
二人の歌声は爽やかに響く。

〝人生は最高のスパイス”人生の味を変えるチャンスは毎日やってくる。

どういうスパイスがお好みかはあなた次第。
甘いかしょっぱいか、はたまた辛いか苦いかはすべて自分次第。

食事を通じて語りかける人生のドラマは、どんな味をしているかを私達に話しかける。
さてあなたはどんな味がお好み??

(J)

「朝食・昼食 そして夕食」  18comidas