2013年 アメリカ制作

ダンカン・ヘイストリップは、最近トイレで過ごす時間が長い。
本人はさほど気にしてないと言うが、1時間から1時間半毎日過ごす。

それを気にする美しい妻・サラは、ダンカンを治療の為に医者に見せる。
腸に潰瘍があると言われて手術を勧められる。
そしてサラはさらに、ダンカンにセラピーを受けることを進める。
だが、セラピーに気の乗らないダンカンは、セラピストの勧める催眠療法を受けない。

仕事でもダンカンは配属替え。
今までの会計士の仕事と違い、社員に退職勧告する仕事でかなりのストレスだ。
何ともイヤな仕事で、仲間に勧告するたびにストレスは増す。
その上、同僚となったアリステアは最悪だ。
ますますストレスが募る。

父親と離婚した母親は、若い恋人・ボビーとやけに仲がいい。
子どもの出来ないダンカン夫妻に、子どもを作るようにと医者を進めて、不妊治療センターのローレンス・ティップ医師を紹介する。

そんな日、同僚のミスから時間をかけて作った資料がパソコンから消える。
早く仕事場に戻らないといけない時に、猛然とお腹が痛くなる。
そしてそのまま気絶…。

ダンカンは夢を見る。
『化け物のような生き物が会社にいる。その生き物が同僚を襲う。歯をむき出しアリステアを襲う。』
気が付いたらトイレで倒れたままで朝を迎えていた。

翌朝テレビでダンカンはアリステアが殺されたことを知る。
夢だと思ったことが現実だったのだ。
報道は凶暴なアライグマの仕業だと言う。

大慌てで、セラピストの元に行くダンカンだ。
一体彼の身に何が起きているのか?
その原因は何か?
催眠療法を受けている途中で、日頃のストレスが噴き出すように言葉になる。
仕事のこと、妻のこと、母親のこと…。
そうすると突然の腹痛に襲われる。
そして、ダンカンのお尻から生き物が現れる。
セラピストは急いで催眠を解くが、その生き物は外へと飛び出してしまった。

セラピストは言う。
『あの生き物はダンカンの負の感情を受け持つもの。
恐怖・不安・怒りは、 自分にとっては大切なものだし、 無くてははならないものでもあると。
その感情がないとゾンビになる。
あの生き物と仲よく付き合う方法を探さなくてはならない』
と。

そして、再び受けた催眠療法で、ダンカンは、8歳の時に彼を捨てた父親に持つ、様々な感情を押し殺していることが原因になっていることを知る。

『マイロ』と名前を付けられたその生き物は、その後も、色々な人を殺していく。
手術をしようとする医者・不妊治療を進めるディップ医師や、会社の上司など…。
そしてついに彼の大事な人へと被害は及ぶようになる。

サスペンスとも怪奇ともいえる映画だが、マイロの表情は何ともかわいらしいくもあり凄まじくもある。
いくら自分の腸に住む生き物だからと言われても、どうしたらいいのかさっぱり分からない。
そんなダンカンとマイロは、凄まじい葛藤の末、ついに和解の道へと至ったかな???
気楽に可笑しく楽しめる映画だった。
でもあの生き物が自分の中にいたら、ちょっとびっくり、いや、かなりびっくりするなって感じ。

(J)

 

「バッド・マイロ」 BAD MILO