催眠療法  hypno therapy

ryouhou10_2催眠法と呼ばれる一定の方法、技術を用いて人為的にトランス状態を生じさせその治癒力を利用しておこなう心理療法。一般には心身のリラクセーションを直接・暗示による症状除去をねらって用いられることが多い。
気管支喘息、過換気症候群、消化性潰瘍、書痙、乗り物酔いなど、多くの適用例がある。習癖や嗜癖行動の修正、問題行動の修正、対人緊張の改善、ストレス解消法としても広く利用されている。他者催眠のほかに自己催眠(例えば自律訓練法)の領域がある。

ryouhou10_3催眠療法の適応対象
催眠療法に適応できると考えられる目安は、およそ次のような場合である。

  1. 比較的新しい問題で、暗示や条件づけによる不安・緊張状態が認められるとき
  2. 被暗示性が高く、年齢が若いもの
  3. 催眠を希望しているもの
  4. 不安や緊張が高く、ともかくリラックスが求められる場合
  5. 信頼関係(ラポール)を強化するため
  6. 自己催眠的な諸技法の補助ないしは導入手段として
  7. 他の療法で行き詰ってしまった場合
  8. 過去の成功例に似ている場合
  9. イメージなどを用いた技法に導入したり、促進するため

催眠療法では、催眠への誘導にあたっては、催眠者の(普通は治療者)の技術的な熟練度やクライエントの被暗示性(催眠へのかかりやすさのことで、催眠感受性と呼ばれる)の程度、催眠関係の性質などによってかなり個人差があることを留意する必要がある。すなわち催眠に誘導ryouhou10_1できる可能性は、普通の知能をもった大多数の人に認められ(75~95%)、とくに子ども(7~14歳)がよくかかるといわれている。

心理療法10