齋藤 勝裕 (さいとう かつひろ)
1945年5月3日生まれ。
東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。
理学博士。
専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。
主な著書として、「絶対わかる化学シリーズ」、「わかる化学シリーズ」、「わかる×わかった!化学シリーズ」「マンガでわかる有機化学」「毒の科学」「料理の科学」『「発酵」のことが一冊でまるごとわかる』『「食品の科学」が一冊でまるごとわかる』『「物理・化学」の単位・記号がまちめてわかる事典」など。

ノートにコンパスで直径13cmの円を描いて、それを地球としましょう。
すると私たち人間が行動できる範囲は、幅0.2mmの線になります。
鉛筆の線の幅ほどもありません。
つまり、私たちにとって地球環境はこれほどのものでしかないのです。
地球温暖化も、酸性雨も、SOx(ソックス)もNOx(ノックス)も、海洋汚染も土壌汚染も、すべてはこの範囲の中で起こっているのです。
かけがえのないこの部分を汚してしまったら、人類には他に行く場所はありません。
月の火星も遠すぎます。
地球環境は大切にしなければなりません。
多少汚れはしましたが、まだまだ綺麗にすることはできます。
そのためにどうしたらよいのでしょう?
本書で一緒に考えてみまえんか?
本書 抜粋

環境と一口に言うが、地球や社会、室内など多くのものが含まれている。
本書は、環境問題がいつ頃から始まり、地球温暖化の原因、水問題、大気汚染の話、人口爆発に伴う食糧危機、プラスティック汚染、毒物や薬物、原子力など多岐にわたる環境問題をわかりやすく説明している。
世界中でコロナウィルスによるパンデミックが混乱を招き、かつ、日本の暑い暑い夏はますます加速されている現状の中で、クーラーだけに頼るのではなく、各自各々ができる身のまわりの小さい環境保護は何かを、今考える必要に迫られている。

「持続可能な開発」として掲げられているSDGsは、国際的に広く認識されている。
SDGsは17個のグローバル目標をもつ。
1.貧困をなくす
2.飢餓をゼロに
3.人々に保健や福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基礎をつくろう
10.人や国の不平等を失くそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、使う責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正のために
17.パートナーシップで目標を達成しよう

2020年、世界におけるSDGs達成ランキングが発表されて、166か国中、日本は17位だった。
しかし、去年は15位、2017年は11位で、取り組みが後退しているのが現状のようだ。
経済格差や高齢者の貧困など格差是正への取り組みが後退したためだという。

今は、私たち自身が、未来に向かってどう生きていくのかを問われる時代なのだろう。

(J)

「環境の科学」が一冊でまるごとわかる