精神療法(心理療法) Psychotherapy
現代の心理療法に繋がるルーツはメスメル(Mesmer,F.A.)の“動物磁気”(催眠療法)に始まるといわれる。
心理療法の近代的理論を構築したのがフロイド(Freud,S)である。フロイドは精神分析学を打ちたて、精神分析という心理療法を創造した。後にフロイドの精神分析を学んだ人々が、様々な理論、療法を打ち立て発表している。
また、心理療法の実践から、ロジャース(Rogers,C.R.)のように心の問題は人間関係のあり方、対人葛藤から生じることが多いとの説etc.も出されている。
心理療法は、欧米から導入されたものがほとんどであるが、わが国独自のものの代表として森田療法と内観療法がある。
子供の心理療法としては遊戯療法、コラージュ療法、フィンガーペインティング、芸術療法、それ以外にダンスや臨床動作法など、身体を使った心理療法もある。精神療法のほとんどが、欧米から導入されたものがほとんどであるが、日本独自に開発されたものもある。森田療法森田療法の治療の鉄則は、「事実唯真」あるいは「あるがまま」といわれている。気分(症状)をいじらずに「あるがまま」に受け入れ、やるべきことを目的本位、行動本位にやらせる。気分や症状(どうにもコントロールできないもの)はそのままにして、自分の力でどうにでもできる行動を健康人らしくする。不眠症、頭痛、頭重等のいわゆる神経衰弱、対人恐怖などの恐怖症、不安発作等の不安神経症を対象とする。重症例では、入院治療が必要となる。内観療法精神的に健康なひとの自己啓発、精神的トラブル(親子不和、夫婦不和)に悩む人の心理療法として機能する。方法としては、自分にとって重要な人物との関係を
- お世話になったこと
- して返したこと
- 迷惑かけたこと
集中の3点に絞って具体的に調べる。形態としては、集団内観法(1週間的に)、
日常内観(日常生活の中で、数時間から数分行う)がある。
内観療法の例
子供の登校拒否をきっかけに母親と子供が内観療法を開始する。母親は1日~2日は集中できないが3日目、自分の母親に対する内観で、「自分自身が自分の母親からあまり認められてない子供であり、自分の子供に同じことを繰り返ししている」ことに気づく。それから子供に対する内観で「自分は積極的なタイプなので、子供にもそうなって欲しいと感じていた。いつも『しっかり』とお尻をたたくことで、子供が自分の意のままになるようなおごった気持ちがあった。」と気づく。
内観によって、子供に悲しみや寂しさを与えていた自分の狭い価値観を悔やみ、子供を受容できるようになった。