アメリカ映画。

自分たちの手で本物の映画を作りたいという皆の総意が生んだ魂の結晶。

顔・顔・顔と、画面に映る顔。
微妙な感情の動きが顔によぎる。
アメリカの中流社会の人間模様。
誰もが、笑いやジョークに本心を隠し人と関わる。
楽しそうに歌い、踊りながら、時間を過ごしている。

リチャード・フォーストは、投資金融会社の代表取締役。
そんな彼は、美しい娼婦ジーニーと出会う。
彼女と、ダンスを踊り、歌やジョークで話す。
ジーニーに心惹かれるリチャードであった。

家に帰ると、妻のマリアが居る。
毎日のように繰り返される同じような会話。
リチャードは、決心する。
離婚して、ジーニーの元に行くことを。
ジーニーと共に、時間を過ごし、楽しい会話を夢見て。

だが、そこには、想像しなかった現実のジーニーの姿があった。

一方、離婚を言い渡された妻のマリアは、友人たちとダンスクラブに行く。
そこで、ダンスがうまく、笑いの絶えないチェットという男性と知り合う。

そして、家でチャットと時間を過ごすマリア。
そこに、ジーニーの所から帰宅してきたリチャードが現れる。

そこで、二人は、言い争いになる。
「私たちに愛なんてないわ!」

ジョークを言い、楽しそうに踊りながらも誰一人として本心を明かさない。
不安や動揺を、そして色々なものをただ隠す。

顔に表れる微妙なものが、何かを言う。
顔・顔・顔。

(J)

「Faces」