三木 義一 (みき よしかず)
1950年東京都生まれ。
75年一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。
現在、立命館大学法科大学院教授、博士(法学・一橋大学)、弁護士(共栄法律事務所)。
専攻、税法。
著書に『日本の税金』『よくわかる税法入門』『よくわかる国際税務入門』『演習ノート租税法』『日韓国際相続と税』『世界の税金裁判』など多数。
現在、ほとんどのサラリーマンの給与は銀行振り込みになっている。
手元にあるのは、配られた給与明細だ。
サラリーマンのあなたは、自分の給与明細をじっくりと見るだろうか。
そこに記載されている数字が正しいか、チェックするだろうか。
日本のサラリーマンは、知らないうちに税金を給与から引かれている。
どの程度、どんな計算で、その金額が決まるのか。
そんなサラリーマンの税制をわかりやすく説明している本書である。
税の基本になるのは、基本給だ。
基本給に各手当がつき、そこから控除されるものを引くと、税金の対象となる源泉徴収の金額が導かれる。
支給される手当は、時間外手当・営業手当・通勤手当・役員手当・住宅手当・資格手当など、いろいろとある。
控除項目は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・社会保険・財形貯蓄などである。
これらのものを差し引きし、所得税や住民税が決まる。
通勤手当は、月10万円以下なら非課税、深夜の食事代は300円以下で非課税となる。
財形貯蓄は、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の2つの元利合計が550万円までなら利子には課税されない。
また、会社にとって、正社員を雇うよりも、派遣会社から人を調達した方が、消費税の負担が軽くなる等、etcetc…。
会社から手渡される給与明細。
『見てもよくわからない!!』と言わずに、一度じっくり見てみると、案外・以外なものが見えてくるかもしれない…。
(J)