認知行動療法
cognitive-behavioral therapy,cognitive behavior therapy

ryouhou5_1非適応的な認知と行動の修正が目標になっている様々な治療法が当てはまる。認知の変化に伴って行動の改善を目指す治療法である。一般に、論理情動療法、認知療法、ストレス免疫訓練、社会機能訓練など、非適応的な認知と行動の修正が目標になっているさまざまな治療法に当てはまる。
行動の修正を重視するのが行動療法の発展形としての認知行動療法である。1970年代以降バンデューラ(Bandura,A.)が提唱しているように、従来の行動療法の枠組みに認知を治療に影響を及ぼす変数として加え、認知の変化に伴って行動の改善をめざす治療法である。
ryouhou5_3認知行動療法では、認知的側面で、問題解決を目指すというよりも、むしろ苦痛をよび起こす考えを抑制したりする場合もある。例えば「自分は完全な状態で仕事ができなければ人に好かれない」という否定的自動思考があれば、思考チェックcounting thoughts をしたりする。これは、否定的な自動思考の生起の回数を数えることで、かえってこの思考を脇においやるものである。そして、日常の思考を観察し、スケジュールを作成し、段階的に課題作成を行い、気分を高める活動を広げようとするものである。そういう試みから達成感や快感が得られれば、大きな意味を有することになる。気分と活動の関係を評価することを学び、達成感と快感を最大にし鬱気分や否定的自動思考を止めるのをより有効にする。
さらに、否定的自動思考を突き止め、それを修正し、実際にロールプレイやソーシャルスキル・トレーニング、さらに自己主張トレーニングなどを実践的に行い練習する。
認知療法や認知行動療法の重要な特徴は、薬物療法に比べて鬱病の再発を防ぐ力があるとされている。例えば、それは、鬱的状態になりやすい人の根底にあるスキーマや、仮説および信念とよばれるものにまで、その歪みの是正を試みるからである。また鬱病の素質や傾向にまでその対策を行い、予防的な意味合いも持つ。今後、鬱的な状態を引き起こすかもしれないと予想される出来事に対して、あらかじめ十分に対応策と対応能力を身につける具体的トレーニングも行うことで再発を、できる限り防ぐことができるようにするからである。

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