イメージ療法  image therapy

ryouhou13_1イメージ技法の中心となるもの
目を閉じリラックスして精神内界に注意を向けていると、何かの視覚的イメージが浮かんでくる。このようにしてイメージを取り出す方法がイメージ技法である。イメージとは大雑把に言えば、人が心の中に抱く絵のようなものをいい、視覚的なものに限らず、五感それぞれに、又はそれらの統合されたものとして存在する同様のものをいう。
心像は、言語が未だ存在しないか、あるいはいまだ優勢でない発達段階のあいだに記号化された記憶への主要な通路を提供する。アリストテレスは、イメージは行動の源泉であり、目標物を提示することにより行動を誘導するものであるとした。現代心理学の多くもまた、イメージは状況や対象物を表象するため、イメージが未来の行動を動機づけるものとなりうると考えている。催眠療法・NLP・ユング心理学・夢療法・フォーカシングなど様々な領域での心理療法で使用されている技法でもある。

ryouhou13_2代表的イメージ療法

  1. フリー・イメージ療法・・・イメージ療法の基本形。
    クライエントに自由に浮かんでくるイメージを語ってもらい、治療者はそれを共感的に聞いていく。
  2. 誘導感情イメージ、誘導覚醒夢・・・ヨーロッパで発達した技法。前者では「草原」「山登り」などの10個のイメージを指定し、後者では「男性には剣、女性には壷」「洞窟」など6個のイメージを指定し、それぞれにつき平均2~3回のセッションずつかけ、順次行う。それぞれのイメージは、例えば山登りであれば競走や達成という男性的課題を意味するといったぐあいに、それぞれ精神分析的意味が付与されている。
  3. 直観像療法・・・アクセンがアメリカで発展させた療法であり、彼の言う「直観像」、すなわち通常の視覚的イメージよりもずっと鮮明なイメージを用いることを特色としている。
  4. 日本におけるイメージ療法・・・催眠イメージ面接法、フリーイメージ療法、壷イメージ療法、三角イメージ療法、イメージ・ドラマ法、イメージ分析療法
心理療法13