「先送りせずに すぐやる人 に変わる方法」  佐々木 正吾
How To Stop Putting Things Off And Get Them Done ASAP

 

 

著者紹介
心理学ジャーナリスト。
専門は認知心理学。
1973年北海道生まれ。
97年独協大学卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年アヴィラ大学心理学科に留学。
著書に『スピードハックス』『チームハックス』(共著)、ベストセラーとなった『iPhone情報処理術』(共著)などがある。
また、ブログ「ライフハックス心理学」を主宰している。

方法 RULE 31 やりたいことを増やさない

やるべきことをすぐにやれずに脱線する原因に「やることが多い」ということがあります。
特に、向上心があって、自分を変えたいと願う人は、どんどんやることが増えていきます。仕事や趣味はもちろんのこと、スキルアップ、英会話、ダイエットに読書といった具合です。

こうした前向きな状態の自分でいたいと思うと、ずっと前を向いている状態を傾斜し続けていかねばなりません。そういうふうにしてやることがどんどん増えていき、つねに脱線するリスクの高い状態になるのです。
ある意味でこれは「失いたくない」という欲求からくるものです。「やることリスト」に書いた言葉は、捨てられなくなるということがよくいわれます。書いていないものは、やってもやらなくてもいいのですが、書いてしまった以上はやらなくてはいけない、捨てられないという人が結構います。やらずに捨てることができなくなってしまう。書いた時点で所有欲が生まれてしまうからです。
書いたものは、本当は所有できていないものです。買い物リストにしても、書いただけではまだその品物は持っていないのです。
しかし、それをリストから消すということは、書く前の段階に戻るのとは違います。半分所有したものを捨てるような気分になるのです。こうした所有欲というのはすごく強いのです。

◎やりたいことを増やすと何もやれなくなる

以前「やりたいことを絞ってやり遂げる」というテーマでセミナーをしたことがあります。「やりたいことを考えつく限り書いてください」と言ったら、多くの人がものすごくたくさんのことを紙に書いたのです。
やりたいことがたくさんあることは悪いことではないのですが、やりたいことを書くことで、やりたいことを「予約」しているような心理になります。「英語を勉強する」と書くと、英語を話しているステキな自分を予約したような気分になる。
その後、リストから消すというのは予約を消すということで完全に道が閉ざされたような気になるのです。書く前よりも損をした気になります。

なるべく多くの夢を実現させようという本もありますが、実際問題、できないのです。だから、やらないことを決めるのも手です。
『減らす技術』(ディスカヴァ―21)でもやりたいことを3つに絞ることを推奨しています。
人生は長いといえども有限です。やらないことを決めることで、やれるようになる、ということも覚えておいてください。

◎本当にやるべきことかを再考する
⇒したいことを紙に書くと
サーフィンでしょ…
英会話でしょ…
捨てられなくなる

選択肢が増えて動けなくなる