超訳 ニーチェの言葉
DIE WELTLICHI WEISHEIT VON NIETZSCHE
エッセンシャル版
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ 著
(1844~1900)
ドイツ哲学者・古典文献学者。
1844年にブロイセン王国領ザクセンに牧師の子として生まれた。
ボン、ライプツィヒ両大学に学び、ワーグナーとショーペンハウアーに傾倒した。
24歳でスイス・バーゼル大学の古典文献学の教授となる。
1872年に処女作『悲劇の誕生』を発表。
1879年に大学を辞し、十年にも及ぶ漂泊の中で執筆活動を続けるが、1889年に精神が崩壊、1900年にワイマールに没した。
ヨーロッパ思想への痛烈な批判、永劫回帰、力への意志など、その鋭く独自の思想により、ハイデッガーをはじめとする二十世紀の哲学思想に大きな影響を与えた。
代表作に『ツァラトゥストラはかく語りき』(1883~1885)、『善悪の彼岸』(1885~1886)、『人間的な、あまりに人間的な』(1878)、『教育者としてのショーペンハウアー』(1874)などがある。
翻訳 白取 晴彦 Haruhiko Shiratori
青森県生まれ。
ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。
哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。
主な著書に『ビジネスマンのための「聖書」入門』『勉学術』『頭がよくなる思考術』『考えすぎない思考術成功体質になる24の習慣』『仏教「超」入門』など多数。
Ⅴ 友について
068 親友関係が成り立つとき
互いに親友であるとき、次のような関係が保たれていると言える。
相手を、自分よりも敬重している。相手を愛しているのは当然だが、しかしその度合いは自分を愛するほどではない。
相手との交際においては親密さと柔らかさを少なくとも装っている。けれども、抜き差しならぬ親密さにおちいる手前でとどまっている。
また、相手と自分を混同せず、互いのちがいをよく心得ている。
「さまざまな意見と箴言」