2010年 制作

インディアナポリスに住むダグは、配管機材の卸会社を経営していた。
娘が一人居たが、交通事故で亡くしていた。
それ以来、妻・ロイスとはうまくいかなくなっていた。
パンケーキ・レストランで働くビビアンと浮気をしていたが、そのビビアンも心臓発作で死んでしまう。

ロイスは、生前に墓をつくり、死んでもいないのに、二人には〝ライリー家の墓”がある。
彼女は家に引きこもり、一歩も外に出ない生活をしている。

ダグは、仕事でニューオリンズに出張する。
本当はビビアンと二人で行くつもりだったが、もう彼女は居ない。

ニューオリンズで仕事を終えたダグは、ストリップクラブへ行く。
そこで、彼は一人のストリップダンサーと出会う。
彼女はまだ10代にしか見えない。
お金の為に、ダグを誘う彼女をダグは振り切るが、近くのレストランで彼女にまた出会う。

レストランで見る彼女は、死んだ娘によく見ていた。

彼女の名前はマロニーという。
マロニーに興味を持ったダグは、会社を売り、家出をし、マロニーと共に暮らすようになる。
自分でも何をどうしようとしているのかよく解らないままであった。

マロニーのめちゃくちゃな部屋を掃除し、洗濯をし、ベッドも綺麗にする。
家に帰らないダグを心配し、妻のロイスも必死の思いで車を運転し、ニューオリンズに来る。

そして、夫と年端もいかないストリッパーのマロニーとのことを知り、呆れながらも、二人と一緒に居ることにする。

奇妙な3人の生活が始まる。
男に脅され、お金を取られ、同じ失敗を繰り返すマロニー。
そんな彼女をどうにかして変えようとするダグ。
『私はあなたたちの娘じゃない!!』と繰り返すマロニー。

車の事故でむすめを亡くした夫婦と、同じく交通事故で母親を失ったマロニー。
そんな彼らが触れ合い関わり合いながら、少しづつお互いを知り、心通わせていく。

クリスティン・スティワート主演とあるが、脇役のライリー夫妻の演技が光る。

〝あなたと私”のケジメがはっきりとあるアメリカでの、人間関係の作り方はある意味で見事である。
生活のために売春をし、でも、そんな彼女に自分を軽く見るなと言い続けるダグ。

見ていてどこか心惹かれる映画であった。

(J)

「クリスティン・ステュワート  ロストガール」