2010年 制作
韓国・香港・アメリカ共同制作

韓国映画『晩秋』のリメイク版

シアトルの住宅地に一人の女が走る。
彼女の顔には殴られた跡がある。
そして、何かを思い出したように女は家へと帰る。
そこには、男の死体があった。

暴力を振るう夫を殺したアンナは、投獄されて7年目に、母親の葬式に出席するため72時間の外出が許される。

シアトル行きのバスの中で、誰かに追われている様子の男に出会う。
バス代の30ドルをその男に貸したアンナは、その男の名前をフンと知る。
そしてバス代の担保にとフンの時計を渡される。

晩秋の美しいシアトルを背景に、ふとしたことで出会った二人、中国人のアンナと韓国人のフン。
フンはエスコート・サービスを仕事とする男。
以前エストートした女性がフンに夢中になり、そのことが夫にバレテ、夫が『フンを殺す』と言い、そのことから逃れるためにシアトルへと向かう。

盛んに話しかけるフン。
アンナは鬱陶しい。

バスはシアトルに着き、二人はそれぞれの所に向かう。
アンナは家に向かい、フンは女の所に…。

葬式の手筈が整う中、アンナは町へと向かう。
オシャレをし、気分も華やぐ中、刑務所から携帯電話がかかる。
現実に引き戻されるアンナ。

そんな彼女は、再びフンに出会う。
女からお金を貰っていたフンはバス代を返そうとするが、アンナは要らないと言う。

そんな二人がシアトルの街を歩く。
遊園地へ行ったり、食事をしたり、ゴートカーに乗ったり。
少しづつ笑顔を取り戻すアンナだった。

アンナは中国語で自分に起きたことを話す。
夫の元から逃げ出そうとしたこと、間違って夫を殺したこと。
中国語の解らないフンには彼女が何を言っているのか分からない。
彼はただ相槌を打ちながらアンナの話を聞く。

そしてフンは、彼女に与えられた時間は72時間で刑務所に戻らなければならないことを知る。
アンナのことを『悪』と言うフンに、アンナは何も答えない。

そして翌日の母親の葬儀場にフンの姿があった。
お互いほとんど知らない二人が、知り合い、お互いいたわり合いながら、静に惹かれていく。

再び、バスで帰るアンナと一緒にバスに乗ったフンは、自分を追ってきた女が殺されたことを知る。
刑務所から出たらもう一度会うことを約束し、フンはアンナの前から姿を消す。

しゃらんぽらんなフンと、過去を引きずり、笑顔もないアンナ。
そんな二人の出会いと別れ。
何に妙に心惹かれる。
そんな映画だった。

(J)

「レイトオータム」 Late Autamn