1963年制作
第37回アカデミー賞 作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞 ノミネート
SF3部作
「博士の異常な愛情」「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」として知られる。
ジャック・リッパーは、ある日軍の施設からR作戦を開始する。
R作戦とは、B-52、32機に搭載されている原爆をソビエトに投下するものである。
ジャックは日ごろから共産主義を嫌悪していた。
水道水のフッ素は、共産主義の陰謀と考えて、雨水か蒸留水しか飲まなかった。
彼の妄想は過激化し、ついに彼はソビエトを攻撃する作戦にでた。
知らせを受けた政府は、緊急事態と判断し、大統領をはじめとする軍の主要人物たちは、ソビエト大使も含めて、この事態を制御するために会議を開く。
一方、軍の機関を閉鎖したジャックは、敵とにみなすものからの攻撃に対して準備をし、闘う用意をする。
ジャックの部下のマンドレークは、事の異常さを知り、どうにかジャックを停めさせようとするがうまくいかない。
指令を受けたB-52、34機は、始めはびっくりしながらも、国の一大事と判断。
ソビエトを攻撃すべく態勢を整える。
着々と準備し、万全の態勢に入る。
大統領から、知らせを受けたソビエト政府は、自らの報復として準備されている、「皆殺し」作戦が自動的に発動されることを政府に告げる。
「皆殺し」作戦とは放射性投下物で攻撃を受けたと判断された場合、自動的に作動する装置のことである。
そうなると、自国はおろか世界が破滅する。
時間は残りわずか。
大統領は、ソビエトにB-52戦闘機の爆撃を依頼。
しかし、幸か不幸か一機が爆撃から免れる。
ブラック・ユーモアで描かれる映画。
冒頭でもこれはフィクションと書かれている。
被害妄想の怖ーい心の世界。
何かの拍子にこんな心の世界が出てきたらどうしよう。
世界は破滅する所で映画は終わる。
少しの人間だけでも生き残るようにと政府は色々と画策する。
その様子もまたユニーク。
ストレンジラブ博士の愛情は、何とも言えないほろ苦さを心の残す。
(J)