いつも下働きで、うだつのあがらない男 マコーネル。
彼は、職場の人たちの、不当な扱いに腹を立て、憎しみと怒りを感じてる。
そして、彼は空想の世界にいる。
『拳銃で、人を殺す』
一人、二人、三人・・・。6発目はだれ?
『会社のビルを破壊』し、そして、金魚と喋る。

ある日、彼は、空想の殺人を実行しようと心に誓う。
ところが、彼の隣の社員が、拳銃を乱射。
そして、その犯人の同僚を射殺した彼は、一躍、マスコミにとりあげられ、有名人になってしまう。

そして、社内でも功績を称えられて重役になる。
今までとは、うって変った生活。
戸惑う彼。

そんな中、かつての憧れの女性でもあり、犯人に射殺されかかったバネッサを見舞い、事故の後遺症で、障害者となった彼女を見る。
そして、彼女の退院後、側にいて、心から彼女をいとおしむ彼。

やがて、彼は、彼女の過去を知る。
社長と愛し合っていた過去を。

動揺し、感情がコントロール出来なくなる彼。

拳銃に残された、最後の一発の弾は、一体誰に発射される?

社会派サスペンスの映画。
ストレスの多いいまの時代に、ふとした心の隙間に憎しみややり場のない怒りは入り込む。

何かを誰かのせいにして、心のストレスは、いっけんなくなるかのような感じがする。
が、実際はどんなものでしょうか?

感情をコントロールすることの第一歩は、感情を知ること。
そして、感情に飲み込まれないこと。
それがどんな感情でも、感情は、自分の持ち物であり、自分が振り回されるものではない。

この映画の主人公は、人を愛する事を知り、そのことが、拳銃を弾く引き金になる。
大切なものを守ろうとしながら、コントロールできない何かが、見ている私に強い衝撃を与える。

(J)

「その男は、静かな隣人」 He Was A Quiet Man