CHAPPAQUA 1966年 アメリカ
監督・脚本・製作 コンラッド・ルークス
出演 コンラッド・ルークス
ジャン=ルイ・バロー
ウィリアム・S・バロウズ
14歳にしてアルコールを飲み、依存症となり、その後薬物依存症ともなったひとりの男。
治療に向かうその飛行機の中でも、彼はアルコールを飲み続け、薬物を摂取する。
映画の映像と音楽を通して表現される、彼の世界。
それはおそらく「現実」とはかけ離れているだろう、「妄想」と「幻覚」の世界。
美しく・奇妙で・興奮を伴う・何とも言えぬその世界。
私が、そしてブログを読むあなたは、それぞれの「現実」を持つ。
しかしそれは、はたして本当にそうなのか?
「現実」と考えているその世界の延長線上に、そして、もしかしたらそのすぐ隣に、この映画の「世界」は、あるのかもしれない。
薬物依存 drug dependence
薬物と個体の相互作用の結果、薬物を持続的ないし周期的に摂取し、やめようとしても やめられない状態のこと。依存には身体依存physical dependence と精神依存psychic dependence とがある。身体依存は、薬物が体内に一定量なければ、生体の正常な機能を維持できない状態のことで、なんだかの事情によって体内の薬物の量が減少すると出現する症状を禁断症状abstinence syndromeという。精神依存にはs陶酔(とうすい)を求めたり、苦痛を回避するために、薬物を強迫的に求めてしまう状態のことである。
依存の指標として臨床上問題となるのは、依存のほか、中毒症状、耐性toleranceなどである。中毒症状は薬物のもつ毒性そのものによる身体および精神機能の障害で、急性中毒acute poisoningと慢性中毒chromic poisoningがある。薬物摂取の中断によって正常な状態に復した後、一定期間を経て急性中毒症状が再燃する場合をフラッシュバック現象flashback phenomenonという。耐性は薬物の効果が次第に減弱し、初期と同じ効果を得るためには、用量を増やさなければならなくなる現象で、ある薬物によって耐性が形成されている場合、初めて用いる他の薬物の効果も減弱することを交差耐性cross toleranceという。
薬物依存に似た用語として薬物嗜癖(しへき)drug addiction、薬物乱用drug abuseがある。
「心理臨床大辞典」 より
アルコホリック・アノニマス (Alcoholics Anonymous)
アルコール依存からの回復に、グループが利用されることがあり、 A.A.(Alcoholics Anonymous 無名アルコール症者の会)という自助グループ(self-help group)が1935年に設立されている。
A.A.の12ステップ
ステップ1.私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
ステップ2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
ステップ3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
ステップ4.恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸を行い、それを表に作った。
ステップ5.神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の誤ちの本質をありのままに認めた。
ステップ6.こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
ステップ7.私たちの短所を取り除いてくださいと、謙虚に神に求めた。
ステップ8.私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人達全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
ステップ9.その人達や他の人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人達に直接埋め合わせをした。
ステップ10.自分自身の棚卸を続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
ステップ11.祈りや黙想を通じて、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
ステップ12.これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージをアルコホーリクに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。
「十二のステップと十二の伝統」より
(J)