所澤 秀樹 (しょざわ・ひでき)
交通史・文化研究家、旅行作家。
1960年東京都生まれ。
日本工業大学卒。
重電機器設計、貿易事務、広告宣伝、リゾート開発、市場調査、ビデオソフト制作、債務管理、医療事務コンサルタント他の職を経て、旅と鉄道を中心とした文筆業に専念。
神戸市在住。
著書に『鉄道地図の歴史と謎』『鉄道地図は謎だらけ』『列島迷走 全国びっくり駅弁⁉』『鉄道「珍」名所三十六選(関東・関西編)』『鉄道地図の謎』『列車愛称の謎』『駅名の謎』『鉄道なるほど旅行術』など多数。

日本は、全国に鉄道網があり、とても身近に感じる存在でもある。
その鉄道に関連したいろいろな面白い事柄がある。

まず、日本で一番一番長い駅名は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村にある南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原(みなみあそのうまれるさとはくすいこうげん)」駅である。
漢字まじりで14文字だ。
平成4年4月の開業で一番になるが、それまでに日本一長い駅名として知られていたのが、茨城県の鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前」駅だそうだ。
一番短い駅名は、三重県津市の「津」駅である。

日本で一番多い同名同字の駅名は、「市役所前」。
路面電車の停留所を含めると、全国で10駅にもなる。

日本で一番長い鉄道橋は、瀬戸大橋かと思ったらそうではなくて、「第一北上川橋りょう」で、東北新幹線の一ノ関駅と水沢江刺駅の間にあるという。
瀬戸大橋は、一本の橋ではなく、六本の橋から成っている。
北上川を斜めに渡る「第一北上川橋りょう」は、長さ3869メートル。
本当に、長い長い橋だ。

駅名で東西南北がすべてそろっているのは、「浦和」駅。
東北本線(京浜東北線)には、「与野」「北浦和」「浦和」「南浦和」の4駅、武蔵野線は、「西浦和」「武蔵浦和」「南浦和」「東浦和」の4駅、埼京線は、「武蔵浦和」「中浦和」である。
世界でも有数の鉄道国日本だが、東西南北すべてがそろった駅名を持つのは、浦和だけだという。
平成13年には、第3セクターの埼玉高速鉄道に「浦和美園」駅が設けられて、ますます浦和駅が繁栄していくだろう。

この本は、2009年に書かれている。
その後の鉄道事情で、駅名や路線変更、また新設された路線や廃線などで、無くなったり増えたり、また改名されている駅もあるかもしれない。

コロナウィルスで、自宅にいることが多い今、ちょっとしたことで手にとった「鉄道雑学」の本が、思わぬ興味を引き起こし、とても面白い。
普段、何気なく乗っている鉄道の別の面が見え隠れする、興味深い本であった。

(J)

 

 

つい誰かに教えたくなる「鉄道雑学」