タデウス・ゴラス 山川 絋矢・亜希子 訳
「これから私が話すことは、私なりの、人生のルールともいうべきことです。
近頃、人々が急速に目覚め始め、時代が大きく変わろうとしています。
同時に、目覚めた人人は大部分、自分のさとりの体験は特別なものだと思い込んでしまっています。
真実を知ったという感覚だけでは、さとりとは言えません。
自分は究極の真理を知っている、なんて振りをする気は、私にはさらさらありません。
人生においてつらい時、苦しい時、どうしようもない時に、誰にでも役に立つ、簡単なものの見方、姿勢について書いてみようと思います。
あなたが信じようと信じまいと、こうしたものの見方は実際、役に立つということを、「宇宙とは何か」という説明から始めて、書くつもりです。」
本文 抜粋
「私達はみな平等です。
そして宇宙とは、私達のお互い同士の関係です。
宇宙はただ一種類の実体からできていて、その一つひとつが生命を持ち、一つひとつが自分の存在の仕方を自分で決めています」
本文 抜粋
「さとり」って何?
そんな難しそうなことは、
わたしにはわかりません。
ただ、この本に書いてある事は、心理学で言うなら『自尊感情』ってことなのかなと思います。
どんな自分も愛しなさい。
嫌だと思う自分も愛しなさい。
人や自分を見てて、『こんなのは私じゃない!』『そんな人はダメ!』
と思うところも、その嫌だと思う自分も愛しなさい、ということでしょうか。
そうすれば、私たちは、『悟れる』のでしょうか?
この間読んだ別の本にも似たようなことが書かれていて、宇宙には、そんなに多くの物質があるわけではなく、わずかな種類のものでできているというのです。
そして、そのものの形は、どのように塊として存在しているかによって、あり方や見え方が違うというのです。
すべてを受け入れていくと、人の「エネルギー」が拡張され、人は自由になると言います。
反対に、否定すればするほど、人は、かたまりとなり、内側にこもってしまいます。
そして、収縮すればするほど、他の人と同じスペースを共有できなくなり、「恐れ」「痛み」「無感動」「憎しみ」「悪意」
そして、その他のあらゆる否定的な感情を経験するというのです。
そして、この収縮と拡張の数限りない組み合わせと、あらゆる振動数で振動している、無数の個体を作り出していて、壮大な調和を生み出していると・・・・・。
また、このエネルギー」は客観的に測定できる量的のものでもないようです。
シンプルな考えかた。
でも、思わず『ホント…?』ってね。
わたしに解ることは、ただ一つ。
どんな自分も許容できるようになると、確かに人生は楽。
ある意味で、がんばる必要なくなるし、人からの賞賛や期待、また、承認すら要らなくなる。
『自分さえよければ良い』と言っているのではない。
私は、何を周りや自分に期待し、何を求めているか。
ただ、それだけのことを知るだけでも、人生の重みは随分違う。
私たちは、決して一人では生きていけない。
でも、また一人で生きていく生き物でもある。
「人生を楽しみなさい」と彼は言う。
「何かをひどく恐れている時に、そこにあなたのさとりへの鍵がある場合が多いのです。
その恐れは、心理的、肉体的、社会的な事柄に対するあなたの執着の強さを示しているのかもしれません。
執着と抵抗は、同じことが二つの異なった現れ方をしているだけです。
意識を何かからそらすことによって、それに抵抗していると、あなたは恐怖を味わいます。
そして、意識を収縮させると、磁石や引力のような吸引力をそれに対して感じるのです。
つまり、それが執着です。
本文 抜粋
自尊感情(self-esteem)
自分自身に対する肯定的な感情。
自分自身を価値ある存在ととらえる感覚。
ローゼンバーグ(Rosenberg,M)は、自分自身のことを「非常に良い」とする感情と「これでよい」とする感情とを区別し、とくに後者を「自尊感情」と定義している。
乳幼児期の母子関係における母親の無償の愛情、全面的な受容が子供の自尊感情の基盤であり、児童期、青年期の所属集団からの承認や他者との比較を通じて形成される。
高い自尊感情を有する方が適応的であるとする見方が一般的だが、劣等感の補償として防衛的に高い自尊感情を持つ場合があることも指摘されている。
「カウンセリング辞典」より
(J)