サン=テグジュペリ Antoine Saint-Exup’ry
名門貴族の子弟としてフランス・リオンに生れる。海軍兵学校の受験に失敗後、兵役で航空隊に入る。
除隊後、航空会社の路線パイロットとなり、多くの冒険を経験。
その後様々な形で飛びながら、1929年に処女作『南方郵便機』、以降『夜間飛行』(フェミナ賞)、『人間の土地』(アカデミー・フランセーズ賞)、『戦う操縦士』『星の王子様』等を発表、行動主義文学の作家として活躍した。第2次大戦後、偵察機の搭乗として困難な出撃を重ね、’44年コルシカ島の基地を発進したまま帰還せず。
飛行機事故で、たった一人で砂漠に不時着したした「僕」は、そこで小さな男の子と出会う。
人の言うことには耳を貸さないこの小さな男の子は、自分の星を後にして、いろいろな星を巡っているという。
7番目の星が地球だった。
この小さな男の子の星はとても小さかった。僕はその星はきっと小惑星B612だろうと思う。
この男の子が僕に「ヒツジ」を紙に描いて欲しいという。
彼は、自分の星にはびこるバオバブの小さな木に悩まされていた。
『ヒツジならきっとバオバブの木を食べてくれるに違いない。』という。
他に彼の星には小さな気高い一重の花びらを持つ一輪の花(薔薇)と小さな火山があった。
小さい星なので、一日に何度も夕日が見える小さな星に住む男の子は、冒険に出る。
バラの花は彼を見送る。
最初の星は民を求める王様の住む星だった。
王様は何より自分の威厳が守られることを望んでいた。
次の星には、大物気取りの男が住んでいた。
人はみな彼を称賛する存在だ。
次の星には酒浸りの男がいた。
彼は恥じているのを忘れるために飲んでいた。
4番目の星は実業家がいて男の子が来ても顔もあげなかった。
彼は星の数を数えていてが、それは有能であるためだった。
王子様は有能であることや、大事だと思うことが、彼とは違う考えをしていた。
5盤目の星にはガス灯一本とそこに住む人が一人いた。
6盤目の星には地理学者。
そして7番目の星が地球だった。
「星の王子様」は、自分の星を飛び出し、いろいろな所を見る旅に出た男の子の物語だ。
生きていくためには自分のことも含めて様々なことを知ることが必要だろう。
自分のとって一番大切なモノは何か。
王子様はそれを見つけることができるのだろうか、できたのだろうか。
自分の星に残してきた花は彼のとって一体どんな存在だったのだろう。
刊行60年以上経つ今でも、多くの人に読まれているこの本は、
簡単な話の連続の中に、多くの意味を含めている。
『共感され親しまれている』本だろう。
(J)