ジェローム・リス
「本書は「聴く」ことを通じて、
誰かの力になりたいと思っている方々に
向けたガイドブックです。」
本文抜粋
カウンセラーやセラピストは、聴くことを専門にトレーニングされた人たちである。
でも、そういう専門的なトレーニングを受けていない人たちの中にも、聴き上手な人たちはいる。
また、聞き上手になりたいと思っている人たちも大勢いるだろう。
この本は、聴くことをトレーニングしたいと言う専門家や、聞き上手になりたい人たちにむけて書かれている。
本書の著者であるジェローム・リスは、イタリアでバイオシステミックス学派と創設。
ボディサイコセラピーの指導やトレーニングをヨーロッパ諸国、ブラジル、日本でしている。
いい傾聴の要素はいろいろとある。
その中で、自然なジェスチャーから来るからだの共鳴「アチューンメント」は、母親と子どもの
自発的な「ミラーリング」(鏡のように動作が同じになる)
があることが証明されている。
このからだの共鳴「アチューンメント」は、いい聴き手の相づちのリズム話し手の言葉のリズムとを合わせる。
そのことで言葉が表現を強め、流れを生み出す。
バーバルとノンバーバルの両方が、様々なかたちが、聴き手と話し手の関係を造る。
共感や共鳴は、いい傾聴に必要な大きな要素であろう。
また、今ここでのメタ・コミュニケーションの利用や、こんな時には、どういう受け答えをするか。
反対に逆効果になる聞き方とはどんなものか。
具体例を盛り込んで説明している。
からだと心が繋がれ、それが、癒されるということは、どういうことなのかなど、様々な角度から、
人の話をどう聴くかということを紹介している。
興味のある方は、
一度読んでみてはいかがでしょう。
心が言葉で繋がるということの素晴らしさを出来るだけ多くの人たちに伝えたいと思う。
意識の視点からすれば、人が気づくことができるのは二元性ー頭の意識と身体の意識、思考と感情の二元性ーだけである。
その統一性は無意識のレベル、あるいは知覚を超えた身体プロセスの中にのみ存在する。
では、知覚できないとすれば、われわれはどうして統一性が存在することを知りうるのだろう?
われわれは統一性を推論したり、その関係を直観することができる。
統一性をぼんやりと感じることもできる。というのも、意識と無意識との境界は、壁ではなく、薄明の領域だからである。
日常生活の中でこの領域を通過するたびに、われわれは根底にある統一性の暗示を頻繁に得る。
この薄明の領域にまで、より簡単に意識を拡張する神秘家たちは、他の人々より統一性の自覚が大きい。
「バイオエナジェティック 原理と実践」より アレキサンダー・ローエン
(J)