カウンセリングルーム樹輪でおこなわれているセラピーやカウンセリングなどで使われる心理学用語の一部を紹介しています。

マ行・ヤ行・ラ行・ワ行

マイクロカウンセリング Microcounseling

yougo13アレン・E・アイビィ博士により開発された、カウンセリング学習のためのメタモデル。専門的なカウンセリングや心理療法、日常的人間関係における諸理論や方法をまとめて編み出されたものであり、カウンセリング・心理療法・日常の人間関係の中で行われる行動を「技法」として分類した。それらの技法は階層を構成し、また、それらを連鎖して用いることで技法の統合をはかるものである。マイクロカウンセリング技法は、単にカウンセリングの分野のみにとどまることなく、多くの人間関係の場で関係の改善や促進に役立つとされている。

無気力 (中学生・高校生の)apathy

“無気力”とは、陰性の行動化ともいわれ、攻撃性の顕在化しない状態をさす日常語である。無気力状態は各年齢段階に見られるが、ステューデント・アパシー、退却神経症、逃避型抑うつ等の病理現象として記述される状態から、広くは高校生の三無主義、モラトリアム傾向の若者等の日常的な状態像にまで及ぶ。基本的には生産的な活動からの退却と、人間関係の回避傾向がその主たる状態像である。

メンタルヘルス mental health

精神的健康・精神衛生。

燃え尽き症候群 burnout syndrome

対人専門職に特徴的な症候群。長期間にわたり人に援助する過程で、心的エネルギーがたえず過度に要求された結果、極度の心身の疲労と感情の枯渇を主とする症候群であり、自己卑下・仕事嫌悪・思いやりの喪失に陥る。
環境的な要因(ストレスフルは職場など)、個人的要因(理想と現実のギャップ、タイプA行動パターン、過度の援助欲求など)があるとされる。

モラトリアム moratorium

yougo14現代のように価値観が多様化した複雑な社会の中で青年がアイデンティティ(identity)を確立するのは並大抵のことではない。そのため青年は社会から一時的に大人としての責任や役割や責務などから免除され、自由な役割実験を繰り返すことが許されている。このようなアイデンティティの獲得に必要な一定の準備期間をエリクソン(Erikson,E.H.)はモラトリアム(moratorium)と呼んだ。
大学生の年代がモラトリアムに相当すると考えられている。青年はこの時期に様々な理想、価値観、思想、人物などに自分を同一化し、実験的に役割を演じることによって自分とはどんな人間かを探求し、自分に最もふさわしいアイデンティティの獲得を試みるが、アイデンティティの拡散(identity diffusion)した状態に陥ることも珍しくない。

妄想 delusion

心的現実(psychic reality)のみが明確なリアリティーをもって確実に体験され、他人がいくら「外的現実」を提示したり説明したりしてもそれを受け入れることができなくなること。
・関係妄想・・・他者の行為や態度を被害的な形で自分に結び付けてしまう。〈例〉あの男が咳払いしたのは、自分に対するあてつけのためだ。
・注察妄想・・・〈例〉誰かがつねに自分を監視し様子をうかがっている。
・被害妄想・・・〈例〉自分を殺そうとして誰かが食事に毒を入れた。
・嫉妬妄想・・・〈例〉夫が他の女と不倫をしている。
誇大妄想・血統妄想・恋愛妄想・憑依妄想・宗教妄想などがある。

予期不安 anticipatory anxiety

yougo15-1不安には場面によって一時的に生じる状態不安(state anxiety)と個人的な不安傾向である特性不安(trait anxiety)があり、ある時点の不安はその両者のかけ合わさったものである。状態不安のほとんどは、近い将来のものに対する予期不安といってよい。学校の児童・生徒のテスト不安、舞台登場前の怖じ気、あがり(stage fright)、神経症的な種々の恐怖症などがそれにあたる。予期不安は将来の失敗や危険に対する自己防衛であり、本来は適応的なものであるが、過度の予期不安は行動を阻害する。予期不安の軽減は、準備による自己への信頼と思い切って危機介入して成功する経験による。

抑うつ depression

何らかの困難を解決しようとして強度の心的疲労に至るほど懸命な努力を続けてきた後にうつ状態に陥って意欲を失うこと。
憂鬱な気分、外界への関心の低下、自信の喪失、消極的な生き方への傾斜、未来への悲観、取り越し苦労など。

離人症

自分が自分でない、自分が存在しているという感じがない、自分で考え行動しているという感じがない、体が自分の身体ではないようだ、見るもの聞くもの全て現実感がなくピンと来ないなど、自己の意識や能動性、外界に対する実在感が薄れる体験のこと。
めまい感、抑うつ、不安、恐怖、時間感覚の障害、追想の困難などが伴う。

リビング・ウイル

yougo16-1英語で、生きていることをリビング、遺言書をウイルといいます。死んだ後に効力を発生するのではなく、生きている本人の、生きた遺言書、つまり生前発効の遺言という意味です。
リビング・ウイルの要旨
1)私の傷病が、今の医学では治せない状態になり、死期が迫ってきたとき、いたずらに死期を引き伸ばす措置はいっさいおことわりします。
2)ただし、私の苦痛を和らげるための医療は、最大限におねがいします。
3)数ヶ月以上、私の意識が回復せず植物状態に陥って、回復の望みがないとき、一切の生命維持措置をやめてください。
以上、私の宣言に従ってくださったとき、全ての責任はこの私自身にあります。
(日本尊厳死協会リビング・ウイルより)

 

心理学用語5 (ま行・ら行)