カウンセリングルーム樹輪でおこなわれているセラピーやカウンセリングなどで使われる心理学用語の一部を紹介しています。

タ行

対象喪失 object loss

yougo10大切な対象を失うという経験を包括的に意味する用語。
喪失の対象としては、愛や依存の対象となる大切な人をはじめとして、馴染んだ生活環境、身体の機能や器官の一部など多様な内容を含んでいる。
これらの対象喪失の中で、大切な人との死に別れをとくにビリーブメント(breavement)「死別、近親死」とよんでいる。
物理的・外的な対象喪失と心理的・内的対象喪失がある。

対人恐怖 Anthropophobie

人と接する場面で自己と他者の関係に何らかのとらわれが生じ、スムーズな対人関係がもてなかったり、接触を避けたりし、それが強くなると極度の不安や緊張が生じて相手や自分の認知に著しい偏りが生じる症状を言う。
その程度によって人見知りや引っ込み思案のようなものから対人関係場面に対して極度の不安や恐怖が生じるレベルのもの、対人関係念慮や対人関係妄想などのレベルまである。
赤面恐怖や視線恐怖、自己臭恐怖や醜貌恐怖も対人恐怖の一種と見られている。

ターミナル・ケアー terminal care

末期医療。ガンなどの病気で死期を間じかにした患者に対する肉体および精神両面からの医療。
ターミナル・ケアーでは、延命の治療のみを優先して患者に無駄な苦しみを与えるような治療をおこなうのではなく、あくまでも患者の身体的・社会的・精神的・スピリチュアルな苦痛を緩和しyougo12家族のケアとともに個々の患者が最期のときまでその人らしく生きることができるように援助することを目標とする。

ダブルバインド(二重拘束) double bind

分裂病の発生因としてベイトソン(Bateson, G)らが、1956年に発表した、家族内のコミュニケーションの病理。
親が子どもに相矛盾する二つのメッセージを異なる水準で同時に送り、受け手の子どもはその矛盾を指摘したりその場から逃げることが許されない拘束状態にくり返しさらされることをさす。

注意欠如・多動性障害 Attention―Deficit Hyperactivity Disorder

生活年齢、精神年齢に比べて不適切な程度に及ぶ注意散漫inattention、衝動性impulsiveness、および多動性hyperactivityである。
注意散漫(注意できる時間が短く気が散りやすい、与えられた課題を最後までやり遂げられない、他の人の言うことをじっときいておれない、遊びのルールに従うことができない)。
衝動性は、人の話が終わる前に口を挟んだり、自分の順番でないときに発言したり、不注意に熱い鍋をつかむ、多動は、じっとしていることができずに落ち着きなく動き回る、椅子に座っているときでも身体をよじったりモジモジしたり何かをいじっていたり、しゃべりすぎるといった行動を指す。
学習障害lerning disabilityとの合併症がしばしば見受けられる。

転移 transference

yougo11クライエントの過去の重要な人物との対人関係がセラピストとの関係に移されること。もちろん、普通の人間関係の中でも頻繁に生じるものである。

 統合失調症 schizophrenia

統合失調症は、躁鬱病(気分障害)と並んで原因不明の内因性精神病であり、主として青年期に発症し、多くは慢性に経過し、特徴的な思考障害・自我障害・感情障害・人格障害などを主徴とし、男女の差はない。基本症状として、連合弛緩・感情鈍麻・自閉性・両価性。副次症状として、幻覚・妄想・錯乱・緊張病性症状がある。

ドリーム・ワーク dream work

「夢を生きる」ことによって自己を統合させていくゲシュタルト療法における技法。その提唱者パールズ(Pears,F)は、夢に登場するすべての人物や事物、雰囲気などには自己が投影されているとして、セラピーの過程で実際に夢の中の人物・事物などになってみる技法を考案した。たとえば、「エスカレーターに巻き込まれ、バラバラになった身体」という夢の場合は、「バラバラになった身体になってみませんか?」と介入がなされ、「私がバラバラになった身体です。」と展開され、クライエントは自己に気づいていく。

 

心理学用語3 (た行)