2009年 アルゼンチン制作

世界中、どこでも、隣家との争い事は絶えないようだ。
隣の家との果てることのない揉め事をきっかけとして、繰り広げられる人間模様がテーマである。
ブラックユーモアあふれる作品でもあるし、
何となく頷ける面白さがある。
デザイナーとして成功しているレオナルドは、アルゼンチン・ブエノスアイレスのある世界的にも有名な建築家ル・コルビュジェの家に住む。
美しく、機能的、かつデザイン性の高いこの家は、レオナルドの誇りでもあった。

ところが、ある朝、物音で目が覚めると、隣家との境の壁に穴が開けられていた。
何の知らせもなくいきなりである。
レオナルドは、怒りに駆られて隣に苦情を言いに行く。

隣の家には、中古車を売るビクトルが住んでいる。
ビクトルの家には窓がなく暗い。
多額のお金を使って家の改装をし、窓を作って光を家の中に入れたいのだという。

だが、その窓からレオナルドの家は中が丸見えの状態になる。
それに、法律でも許さていない。すぐに、窓の穴を取り払うと言いながら、

ビクトルはなかなか行動に出ない。
それどころか、レオナルドの家を必要に監視しているようだ。

レオナルドの妻・アナは、〝娘や自分の身が危険だ”と繰り返しレオナルドに言い、話し合う余地もない。

レオナルドは、仕事の忙しさもあり、工事の音に過敏に反応し不眠である。

どうにか辞めるようにビクトルに説明しようとするが、何故か反対に説得させられてしまう。
遂にレオナルドは、『妻が頑固で、どうしてもダメだ』とか『妻の実父の家だから駄目だ』とかいろいろな理由をつけて、ビクトルに辞めるように言うことになる。

それに、今まで、気にならなかったり、目をつぶってきた家の中の不満がビクトリアをイライラさせるようになる。
自分の主張を曲げようとしない妻・いつも〝キスして”と迫る妻・話しかけても返事もしない娘…。

平安だった家族は、この窓を廻って段々と調子を狂わしていく。

ビクトルの自由奔放な生活が、社会的には成功者であるレオナルドを刺激する。
奔放な女性関係、口八丁で様々なクレームにびくともしないビクトル。
そんなビクトルに影響を受けていくレオナルド。

この窓は様々な展開の末に、ついに完成する。
すべてがめでたしめでたしと思われたその時…その事件は起きた。

ストーリは、最後まで見ないと解らないことがあると納得。
隣人として、本当に愛に溢れていたのは、さて、どっちだろうか。
どんでん返しの最後は、何とも言い難いものであった。

(J)

「ル・コルビュジェの家」