第68回 ヴェネチア国際映画祭 金若獅子賞 受賞

2組の夫婦が、お互いのこどものけんかで話し合うことになる。
公園で遊んでいたザッカリーは、棒でイーサンを叩き、イーサンは前歯を2本折る。
ザッカリーの両親のナンシーとアランは、話し合いの為にイーサンの両親のマイケルとペネロペの家を訪問する。

映画は、二組の夫婦が出会う所から始められる。
そして、そこで繰り広げられる二組の夫婦の「おとなのケンカ」。

ザッカリーの父親のアランは有能弁護士で、仕事用の携帯電話を離さない。
ザッカリーの母親のナンシーは、投資ブローカーである。

一方、イーサンの父親は雑貨店を営み、母親のペネロペは平和主義者で、国際紛争や差別に興味があり、そのことで本を出版したりしている。

始めは、おとなの常識に従い、穏やかに始まる話し合いは始まる。
途中で、何度も鳴るアランの携帯電話。
現在揉めている仕事があり、指示を出し、状態を把握する。

子ども同士の話し合いという事で、話はまとまりそうになるが、何か煮え切らない様子。

言いたいことも半分に控えて話す4人に、それぞれの意見の違いが見え出す。

被害者と加害者の理論でことを進めようとするペネロペに、反発するアランとナンシー。
「チクリや」とイーサンを非難するアランとナンシーに反発するペネロペ。
そこに、この話し合いにはまったく関係のないマイケルが捨てたハムスターの話が持ち出されたり、また、ストレスから気分の悪くなったナンシーが吐き、事態は思わず方に展開する。

夫婦の日ごろの不満や考え方の違い、男女間のさまざまな違いなど、ますます話し合いは混乱を極めていき、そして方向性を失っていく。
「おとなのはなしあい」って、こんな風に、本題そっちのけで広がり、収集つかないようになるんですかね。

この映画の英語の題は 「CARNAGE」
日本語にすると、「大虐殺」で、何とも言い表しようのない題名である

国際社会を風刺ともいえるこの映画。
滑稽でもありながらも、人ごととは思えない位、身近であるのかもしれない。
人との話し合いの最中に、ふとした時に、『そういえば、あの時この人にあんなことを言われた!』
『話とは別に、この人の…が気に入らない』
『日頃言っていることと、違うじゃない!』
そんな思いに駆られると、心や気持ちは、本題そっちのけになる。

『いけない、いけない!』
何の為の話し合いなのかを忘れちゃね!!
大虐殺にならないうちにね!!!

(J)

「おとなのけんか」