前作「フード・インク」でアカデミー賞 長期ドキュメント部門ノミネートされた第2弾の作品。

毎日10万人の人が死んでいる中で、食べ物は120億人を養えるほど作られているそうです。

“大量に作られ、大量に捨てられる。”
食糧廃棄率世界1の日本。
その日本に住み、『何を食べようか、何が美味しいだろうか、何が健康にいいのだろう』かと、日々、悩み、考えながら暮らしていますよね。

この有り余るごちそうのメカニズムを、オーストリア・スペイン・フランス・ルーマニア・スイス・ブラジルを回り、記録している映画です。
見ていて決して気分の良い映画ではありません。
でも、目を塞がず、事実を直視することは、長い時を経て、自分自身の健康や、また、生き様に跳ね返ることを考えながらしっかりと見た。と言う感じです。

アフリカに、ヨーロッパの野菜が売られ、土地で取れた野菜の三分の一の価格のその野菜に押されて、アフリカで農業ができなくなり、ジブラルタル海峡を越えて、働きに出かける。
そのヨーロッパでは、巨大資本の会社が、農業を合理的に作るシステムを作り上げて、大量に野菜を作り、それをまた、アフリカや世界に輸出する。

アマゾン北西部流域を開拓し大豆を作る。
その大豆は、家畜用の飼料にされて、ヨーロッパに輸出される。
家畜飼料の90%をヨーロッパは輸入に頼っている。

ブラジルの人たちには、末端価格に響くので、低賃金で働くことを余儀なくされて、その結果、飢餓が蔓延る。
ちなみにブラジルは大豆の生産世界1だそうです。

その大豆飼料などで養鶏された鶏は一日5万羽。
少し歩くだけで足が折れる。
その肉を私たちは食べる。

野菜産業の合理化に伴い、今までのヨーロッパの農業は形を変えざるを得なくなる。
美味しい食べ物より、より安い食べ物を求める消費者のニーズに答えて・・・。
食べられる食糧を作るのではなく、燃料になるトウモロコシや小麦を作ることで、自分たちの生活を維持するんだそうです。

グローバル企業として有名なネスレ(nesle)は、世界企業27番目の規模を誇る。
そのネスラの従業員数は27万5千人。
関連企業を含めるとなんと、120万人の規模。
水産業などでも知られるこのネスラが、農業の工業化を握る。

この農業の仕組みは、この120万人の生活を支え、トップといえど、儲けなければ解雇される。
自由貿易と言う名の下で動く様々な経済の仕組みは、否が応でも、私達の生活に色々な影響をあたえる。

ドラッガーだったと思いますが、これからの近未来を予想した学者が、ほんの一握りのトップと、それ以外の人は労働者としての構図が出来上がると言ってましたが、その予想は、思ってるよりも早く、そして確実に、世界の産業に反映したのかも・・・。

誰が悪いとか誰がどうしたとか言うのではなく、今の私達の生活の仕組みを農業という側面から垣間見た思いでした。
何とも、まー・・・。
って感じです。

(J)

「ありあまるごちそう」 WE FEED THE WORLD