2039年、ISSと呼ばれる宇宙ステーションの中で、リー・ジェームズ・ミラー大尉は、ヒューストンのケンブリッジとの交信が途絶える。

いくら無線で呼び出しても、誰も答えない。
最後のメッセージは、自動更新で任務は無期限になったという事のみ。
何かの冗談か、たちの悪い実験なら早く止めてほしい。
そう願うリーであった。

が、それ以来、誰からの連絡も入らない。
どうやらとんでもないことが地球に起きたらしい。
何が起きたかもわからない。
ただ彼に分かるのは、自分はこの宇宙の軌道を回り続ける以外仕方がないという事だった。

孤独が彼を襲う。
元の宇宙飛行士の写真に話しかける。
どうにかして、正常な精神でいるための方法でもあった。
自分の体に文字を書く。
幻想が彼を襲い、幻覚と話す。

圧倒的な映像美と、過去の映像が画面に流れる。
美しい地球…、美しい宇宙。
でも彼にはどうすることも出来なかった。

やる事は自分の健康管理のみの生活。
空気が無くなれば死ぬしかない。
同じ死ぬなら地球で死にたいと、ISSからの脱出も試みるが…。

ISSに残されている書類の中に、昔、自分と同じリーと言う名の人物が残した日記を見つける。
彼も、同じように日記をつける。
そして、自分も過去のリーと同じような運命を辿るのか…。

2045年、6年が経つ。
何も変わらない生活の中、少しづつステーションの機能は落ちていく。

その中で、記録として送られてきていた映像の『諦めないこと』を聞く。
いくら考えても何の希望もない。
そして、彼は、衰えていく体力の中、宇宙と一つになる。

宇宙飛行士の話によると、宇宙から地球は良く見えるらしい。
争いや汚染など、地球上に居るよりはっきりと見えるようだ。

その地球からある時全部の明かりが消える。
どうすることも出来ないまま、それを眺めることに人は耐えることが出来るのだろうか。

(J)

「地球最後の男」