2009年 サンダンス受賞作品
アカデミー賞 受賞 作品
ゴールデングローブ賞 受賞 作品

“すべては宇宙からの贈り物  ケン・キース JR”

『今更、この映画を紹介するなんて』と思いながら、ブログを書く。
でも、今だからこそ見て欲しい映画でもある。

1987年 ハーレム
「あたしは、クレアリース・プレシャス・ジョーンズ。
いつも夢見ている。
肌色の薄い綺麗な髪のカレシがほしい。
雑誌の表紙になりたい。
プロモーション・ビデオに出たい。
母さんは『踊れっこないし、でか尻は誰も見ないって。
算数のウィッチャー先生とのロマンスも夢見る。
普通になりたい。いつか叶う。
そう信じている。」

プレシャスは、16歳でまだ中学生。
校長室に呼ばれた彼女は、2回目の妊娠で退学になる。
お腹の子供の父親は自分の父親である。
レイプされて妊娠する。

校長先生は、プレシャスに“EOTO(代替学校)”を紹介する。
“EOTO”に興味を持ったプレシャスは、そのフリースクールに行き、そこで勉強を始める。

担当のブルー・レインは、“教えることが好き”と言う。
ジャマイカ生まれのロンダ。
リタ・ロメロはハーレム生まれ。
ブロークスうまれのジャーメイン、そして、コントエロ、ジョー・アン、クリアリーマ。

7人のクラスは、単語が読めない。
意味も解らない。
そんなプレシャス達にレインは丁寧に本を読むことや、物語を作ったり、博物館でいろいろなものをみたりして学ぶ。

プレシャスが生んだ一人目の子供はダウン症。
生活保護を受けるためにソーシャルワーカーが家に来る。
一緒に暮らす母親のメアリーは、その時だけの演技でその場を凌ぐ。

生活保護の為にカウンセリングを受けるざるを得なくなったプレシャスは、そこで両親から受けた色々なことを話す。
父親からの性虐待。
母親との様々な出来事。

そして、2人目が生まれ、母の元を去り、周りの様々な人たちに見守られながらプレシャスは勉強を続ける。

そんなある日、プレシャスを尋ねてきた母親から、父親がエイズで死んだと聞かされる。
そして、HIV検査を受けたプレシャスもまた、HIV陽性反応が出る。
どこまで、人生は自分を苦しめるのか!

絶望の中、それでもプレシャスは学ぶことを辞めず、後1年で、高校進学へとこぎ着ける。
Life is HARD.
Life is SHORT.
Life is PAINFUL.
Life is RICH.
メディアでの報道は、子どもへの虐待の事件が絶えない。
躾と虐待の境目が分からなくなっているのかも。
自分の感覚が鈍くなり、頭と感じる心が、切り離されて、そこには共感も痛みもない。

情報化社会になり、巷に情報は溢れている。
そんな中、自分のしていることが一体何を意味しているのか分かりにくく、理解しにくく待っているのかもしれないと思うことがある。

周りに合わせて、合わせているのだから自分には責任はないと思うこと自体、何か、心のネジが狂い始めているのかもしれない。
自己責任という自分の行動や言葉に責任を取ろうとすることは、時には、大変な心の痛みを伴うことがある。
でも、その心の痛みを自分で引き受ける時に感じる、心のすがすがしさは、掛け替えのない自分への大切な贈り物でもある。

プレシャスは言う。
「今まで、自分の母親がどんな人で自分に対してどうであったかということを、私は、知ろうともしなかった。」
母親を責めることなく、ただ自分を語るプレシャス。

自分を責め、死ぬことを考えて、別の自分になろうとしてきた彼女は、教育や、自分を支える人たちとの触れ合いの中で、自分で決め、また、責任を取ろうとしているように思えた。
人生は短く、切なく、そして、また豊かなものでもある。

(J)

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