ポンパドーム大賞受賞作品。

「白いリボン」それは、純粋で無垢の象徴。
純潔・罪・わがまま・妬み・無礼・嘘・怠惰を戒めるもの。

ドイツ北部の村での出来事。
事件は、ドクターが自宅近くで事故にあうことから始まる。
誰かが、入口近くに細い針金を張っていた。
馬に乗り自宅へ帰ってきたドクターが、その針金に馬ごと足をすくわれて転倒。
大けがをして村から30キロ離れた病院に入院することになる。

そして、その翌日、小作人の妻が死亡。
収穫の時期であったが、腕に怪我をしていた彼女は、家令の命令で製作所の仕事をしていた。
その時、床板が腐っていて、転落し、死亡。

同じ日、牧師の息子のマルティンが、マス釣りをしていた教師の目に留まる。
小川の木の橋の欄干を歩いていた。
それを目にした教師は思わず止める。
「神様に僕を殺すチャンスを与えた」とマルティンは言う。

この領地を管理する男爵が、村人に事実を明らかにするように言ったにも拘らず、様々な憶測が村に流れるが、真実は解らないままに事件は放置される。

そして、収穫祭の日、キャベツ畑がめちゃくちゃに荒らされ、家令(男爵)の息子のジギは行方不明になり、村中あげて捜索する。
そして、森で逆さ釣りにされている所を発見される。
この事件をきっかけに男爵夫人は、息子のジギを連れて家を出て、避暑地に赴く。

第1次大戦直前のドイツの村での出来事。
子どもは親や権力者への徹底した躾を受けていた。
逆らうこともなく、親たちの言うことに背いたり、躾が出来ていないと、子どもたちは、「白いリボン」を腕や髪につけることになる。

村の多くの子供たち。
牧師の娘であるクララとマルティン。
医者の娘のアンナと4歳のルディ。
子供たちもまた、死の影に怯えながらいた。

冬を迎え、春が来て、男爵夫人は、ジギを連れて屋敷に戻る。

しばらくして、ドクターの家の家政婦兼助手をしていた助産婦のワグナー夫人の一人息子で知的障害のあるカーリが行方不明となり、捜索後、森で発見される。
両目に怪我をしており、失明の危機に陥る。
この事件で、ようやく男爵も警察に通報する。

牧師の飼っている鳥が、十字架の形のはさみで殺される。
事故で妻を亡くした農夫が自殺する。

二人の私服警官が来て、色々と調査するが犯人はわからない。

そんなある日、ワグナー夫人が、犯人がわかったということを教師に告げる。
警察に行くということで出かけるが一向に帰らない。
2日後、男爵の許可のもと、ワグナー夫人の家に入るが、家はもぬけの殻。
息子のカーリの姿も見えない。

教師は、隣のドクターの家に向かうがそこには休業の張り紙があり、誰もいない。
牧師の家に行き、クララとマルティンにクラスメートのアンナから何か聞いていないかと尋ねる。
そして、一連の事件の事も聞く。

彼は、事件前後からの、子供たちの様々な動きに不信を覚えていた。
事の真実を知ろうとする教師に、二人は「わからない、何も知らない」と言う。
煮え切れぬまま、教師は、自分の考えを牧師に伝えるが・・・・・・・。
反対に牧師の怒りを買う。

その後、村で噂が広まる。
一連の事件は、助産婦のワグナーとドクターが仕組んだことだと。
助産婦の息子は、実はドクターの子供で、二人は自分の家族や秘密を守るためにしたのだと・・・。

結局のところ、何もはっきりしないまま映画は終わる。
ただ、心の中に色々な疑惑が渦まき、ただ、噂が広まる。
真実を知ろうとせず、ただ、手を拱く、そんな村人の姿がある。

スキャンダラスでエゴイスティックな大人たち。
そして、不審な行動をする子供たち。
「白いリボン」に象徴される純粋無垢であろうとすることは、子どもにどのような決断をさせるのであろう。

大戦前のドイツの躾は、厳格そのものであったと聞く。
自由が拘束される中で、子供たちにとって、「白いリボン」はどんな意味があったのか。
大人の怒りを買わぬために、ただひた隠しする子供たちの姿に、何か異様なものを感じさせる映画である。

(J)

「白いリボン」 DAS WEISSE BAND