「トランスアメリカ」
[監督、脚本]ダンカン・タッカー
2005年/アメリカ映画
[出演] フェリシティ・ハフマン ケヴィン・ゼガーズ
フィオヌラ・フラナガン

一人の非常に「女性らしい男性」と、一人の若者がアメリカ大陸を一緒に車に乗って横断(トランス)していくロードムーヴィー。
傍目には「母・息子」と見える二人。
実は二人は、血の繋がった「父・息子」。
「トランス」したのは、アメリカだけじゃなくて、主人公も、「男性から女性」へとトランスしている。

会った初めは互いに隠し事と嘘を秘めていた二人。
その二人が、共に時間を過ごすうち、互いについた嘘がばれ、隠し事も明るみに出る。

「自分である」ってどういうこと?
「人を思いやる」ってどういうこと?

ごたごた色々ありまして、最後に二人は、再会。
それぞれ自分が人に公言した、「こうなりたい自分」を実現している。
方や、性転換手術の成功。方や、映画(ポルノらしい)の出演。

一見非現実的な設定の映画ながら、二人は、とても現実的に生きている。
ロマンティックなストーリーも、涙を誘う悲しいお話も、哀れな主人公も、正義の味方も、そこには登場しない。

「さあ、脛に傷持つこの身をもって、どうやって生きていく?」と自分に問いながら、金を稼いで、ご飯を食べて、生きていく。
なんとも後味のよい映画、です。

行き先なんて 知らないわ
道のある限り 前に進むだけ
ただの旅では 終わらせない
私というパズルを 完成させるため

うたに出てくる 旅人のように
自分の居場所を 必死で探してる
それはどこ? 本当に見つかるの?
でも今はただ 旅を続けるだけ

疑問は山ほど 答えはほんの少し
でもいつかは 真実を見つけたい
今は十字架に かけられてるけど
復活したら 新しい私になるの

神は理由あって 私を創られた
贖罪の方法は 人それぞれだから
神よ私を 見守ってください
何度も転びながら 私は歩み続ける

今はただ 旅を続けるだけ

道は時に 険しいけれど
互いにつかまれば 怖くはない
すべて壊れても 直せばいいわ

頑張れば 空も飛べるはず
さよなら 子どもたち 美しい男たち
優しい女たち 私の愛した人々
この道のどこかで また会いましょう
今はただ 旅を続けるだけ

船のように漂い 風のように舞う
神よ 私を 導いてください
今はただ 旅を続けるだけ

歌に出てくる 旅人のように
帰るための道を 必死で探してる
神よ 私を守ってください
今はただ 旅を続けるだけ

「トランスアメリカ」より

「トランスアメリカ」