2012年
カナダ・フランス・ポルトガル・イタリア 合作作品

白いリムジンの中に居るのは、
28歳にして巨額の富を手にしエリック・マイケル・パッカーだ。

朝、車に乗ろうとするエリック・パッカーに、大統領に対しての暴動の動きがあると情報が入る。
パッカーは床屋に行けない。
街を横切るのに時間がかかるからだ。

しかし、パッカーは床屋に行くことにする。
ゆっくりとリムジンは動く出す。

白いリムジンはパッカーの仕事場でもある。
様々な情報を聞いたり、いろいろな人に会ったりする。

先の読めることで定評のあるパッカーだが、長年の仕事仲間のシャイナーに、投資している『元』の動きを聞くパッカーだった。
『元』は大丈夫だと聞く。

10分置きの分析はごく普通のこと。
パターン・比率・指標・情報の全体像を知り、間違いにない分析をする。

パッカーには、どうしても分からないことがあった。
『リムジンは夜どこに行くのか?』だった。

リムジンはまた、女性とのセックスの場でもあった。
大富豪の女性・エリーズと結婚したパッカーだったが、それでもセックスは欠かせない。

別の情報源から、『元』の動きが危ういという話を聞く。

リムジンでは、毎日健康診断を受ける。
いつもと違う医者に診てもらうと、前立腺が左右不揃いだと言われる。

何故?前立腺は何故不揃いなのか?

妻のエリーズがタクシーに乗っている。
朝食を共にする。
話をするが・・・。

人生にはいろいろと解らないことがある。

その後、暴動の標的になったパッカーの車は、ペンキに塗られ、散々な目に遭うが、それでも床屋を目指して車は走る。

本屋で妻のエリーズを見かける。
二人で昼食を食べる。

劇場の前で妻を見かける。
夕食を食べる。
そして、『元』の暴落で財産を失ったことを伝える。
『これで終わりね』とエリーズは言う。

そして、脅迫はパッカーにもくる。
パイを投げられたり、挙句に発砲されたりもする。

リムジンは、夜専用の駐車場に止めてあると運転手から聞き、安心するパッカーだった。

前立腺は不揃いなのは、もともと前立腺の奇形によるものだとも聞く。

『元』の暴落で、一日で総てを失ったエリック。

分析で物事を判断するエリックには、最後に不規則な人生の意味を知ることが出来るのだろうか。
それとも、人生の意味や不規則な動きは掴めないのだろうか。

何とも難解で奇妙な気分のする映画だが、独特の面白さがある。

(J)

「コズモポリス」