齋藤 孝 (さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。
東京大学法学部卒業。
同大学院教育学研究科博士課程等を経て、現在、明治大学文学部教授。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
著書に『座右のゲーテ』『座右の諭吉』『座右のニーチェ』『ブレない生き方』『声に出して読みたい日本語』『三色ボールペンで読む日本語』『読書力』『教育力』、訳書に『現代語訳 論語』『現代語訳 学問のすすめ』など多数。

壁にぶつかったとき、ああだこうだと思い煩うのをとりあえず一回やめる。
すべては自分の「意識の量」が足らないからだと考えてみる。
すると、これまで手に負えないと思っていた人生の問題を、スッキリ解消することができるようになるはずだ。
私自身、仕事や人間関係で多くの失敗をしてきた。
そのたびに感じてきたのは、ミスの原因を作ったのも、問題がなかなか解決しないのも、多くは自分の意識の量が足りなかったからだ、ということだった。
本文 抜粋

「閉塞感」にあえいでいる人が多い。
仕事のチャンスが巡ってこない。
努力しているのに、現状に「閉塞感」や「行き詰まり感」を社会情勢や社会構造のせいと考えるのではなく、シンプルに「意識の量」の問題と考えて打開する。
できる人は「意識の量」が多いという。
ソシアル・インテリジェンス(social intelligence)とは、社会的知能、またはEQといわれる、社会的な頭の良さ、人間関係をうまくやっていく能力のことである。
従来の頭の良さとして評価されてきた知能指数やテストの点数ではなく、「社会の中でどうふるまえるか」がより大事になってきている。
意識の量を増やすことによって、このソシアル・インテリジェンスの能力を向上させることができるという。

意識の量が足りないとは、
・ミーティング中、みんな積極的に発言しているのに、一言も発言せずボーっとしている
・頭はいいし、よく勉強しているようではあるが、仕事となると能率が悪い
・「自分は悪くない」と主張するばかりで、反省しないし謝らない
・相手に神経を逆撫でするようなことをサラリと言うが、相手が傷ついていることに気づかない
・同年代同士で固まって、年上の人になじめない
・「これをやったら次にどうなるか」という簡単な推測ができず、ミスを繰り返す  etcetc・・・。

じゃあ、意識の量の多い人とはどういう人なのだろうか。
「優れたビジネスマン」や「この人はできる人だな」という人は、みな意識の量が多いという。
たとえば、こちらの言うことにすぐに反応し、的確な相槌を打ち、相手のことを考えた方針やアドバイスを与えてくれる人。
いくつかのシュミレーションをした上で発言してくれる人。
こういう人は仕事の進め方もスムーズだそうだ。
彼らは意識の量を増やす訓練を重ねてきて、打ち合わせや商談の場に多くの意識の量を集中させてきているからだという。
「次に自分は何ができるか」を判断し努力しているという。

「意識の量」は訓練で増やすことができるし、IQと違い、磨き方しだいで身につくのだからということなのだろうか。
まずは、自分の意識の量はどれ位かと、意識の量を意識する所からスタートさせるようだ。

本文では、どういう風にすることで意識の量が増やせるかを、例を用いて説明されている。
人間関係は、一足飛びというわけにはいかないことが多い。
「意識の量」も、一足飛びではないようだが、必要に応じて意識するのも面白いかもしれない。

(J)

「「意識の量」を増やせ!」