ダニエル・ゴールマン Daniel Goleman
カリフォルニア州ストックトン生まれ。
1974年、ハーバード大学大学院にて心理学の博士号を取得する。
その後、リサーチ・フェローとしてインドとスリランカにおもむき、アジア文化における精神鍛錬のテクニックについて研究。
ハーバード大学で教鞭をとった後、「サイコロジー・トゥデー」誌のシニア・エデュターを9年間務める。
1984年からは、「ニューヨーク・タイムズ」紙でおもに行動心理学について執筆してきた。
ジャーナリストとして、数々の賞を受賞。
本書は、1995年秋から長期間にわたって全米ベストセラーとなり、60万部を超えている。
現在マサチューセッツ州ウィリアムズバーグに、精神科医の妻と二頭の馬と共に暮らす。

知能テストで測定されるIQとは質の異なる頭の良さを示すEQは、自分の本当の気持ちを自覚し尊重し、心から納得できる決断を下す能力。
衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスのもとになる感情を抑制する能力でもある。
目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力でもあり、他人の気持ちを感じとる共感能力でもあり、集団の中で調和を保ち、協力しあう社会的能力のことである。

本来、日本文化は、『おもてなし』で等の言葉で代表される質の高いEQを持つとされる。
が、思いやり、自制、調和を重んじる日本文化的価値観が低下しているのではとの指摘がある。
日本人のEQが、これから危機的な状態になるのだろうか。

人間の大脳にある「扁桃核」は、大脳辺縁系の一部にあり、原始的な嗅脳である。
「キレル」とき、つまり怒りを爆発させるときには、情動が理性(大脳新皮質)による制止を受けていない状態にある。
「扁桃核」は、その情動を握る部分だ。
「感じる知性」は、扁桃核の機能と大脳新皮質の相互作用にあるという。
また、虐待やPTSDなどは、強烈な心理的、また一時的・慢性的なショック状態におちいり、扁桃核が、「危険」だという記憶が残ることから起きるという。

小さい頃から、脳そのものは形づくられていき、親を含む、人との交流により感情をコントロールさせることを学ぶ。
EQは、情動のコントロールと深くかかわる。
慢性的な怒りは心疾患などのリスクも高く、血圧の上昇ともかかわりが深い。
怒りは抑え込もうとすると蓄積される傾向があり、何かのはずみで爆発してしまうことになる。
様々な感情を抑え込むのではなく、うまく感情と付き合う方法を学ぶ必要があるようだ。

(J)

EQ こころの知能指数 EMOTIONAL INTELLIGENCE