1903年、インド生まれ。
イートン校を卒業後、ビルマで警察官となったのち、イギリスに戻って作家となる。
ロシア革命を風刺した20世紀のイソップ物語と評される本書のほか、スペイン市民戦争を描いた『カタロニア賛歌』、現代の管理社会を予見した空想小説『1984年』などの作品で「行動の作家」として英文学史に名を残している。

荘園農場のメージャー爺さんは品評会で入賞した中白種の豚で、農場主のジョーンズ氏が戸締りをして、二階のベッドに上がって眠るのを待って、かねてから動物たちに声をかけていた集会を開いた。
今年12歳の彼は、見るから聡明でやさしい顔つきで威風堂々とした風采の持ち主だった。
動物たちは続々と集まり、メージャーの話に耳を傾ける。
三匹の犬、豚たち、メンドリたちやハト、二頭の馬車馬、白ヤギやアヒルの子どもたち、白馬、カラスや猫もいた。
メジャー爺さんの話は、かろうじて生きていくのみの食べ物で強制的に働かせられることや、物の役に立たなくなったら身の毛もよだつような虐待の憂き目にあうことなど、人間に搾取される今の生活から、動物たちの力で動物たちの理想の世界をつくることを夢に見たという話だった。
すべての災いは、人間の支配にあるとし、『二本の脚で歩くものは、すべて敵であり、四本の脚で歩くものや、もしくは翼を持っているものは、すべて味方である』。
「すべての動物に平等な」理想世界を建設し、自分たちの子供を手放すことなく、食べ物にも困らないそんな世界を作ろうということだった。

メージャー爺さんが亡くなり、動物たちは計画を実行する。
農場主のジョーンズ氏を追い払い、「荘園農場」から「動物農園」と書いた。
読み書きを覚えて、7戒を作った。
頭がよく、読み書きができるのは豚たちだった。
その中から、ナポレオンとスノーボールはリーダーの役目をした。
動物による動物のために農場であった。
当然、ジョーンズ氏からの取り返しの動きもあったが、かねてからの準備もあり、うまく撃退することもできた。

だが、豚たちの意見が全部同じというわけではなかった。
リーダーであるナポレオンとスノーボールの意見の違いはいろいろな所でぶつかる様になっていく。
そして、ナポレオンに手なずけられた犬やメンドリたちの手によって、スノーボールは農場を追われることになる。
その後、7戒はいつの間にか誰かの手によって、書き換えられていくようになる。
また、指導者の豚によって前よりひどい生活に苦しむようになっていくのだった。

寓話小説として知られる「動物農場」は、20世紀のイソップ物語ともいわれている。
寓話的形式文学の特徴に一つに、寓意をいろいろと異なった次元でいく通りにも解釈できる。
物語の背後には、作者オーウェルの人間に対する不信やペシミスト的な雰囲気を感じながらも、動物たちのさまざまな描写は、動物好きの作者の愛情が感じられながらも、どこか擬人化されており、支配者を倒しても、また、次の支配者が出てくるという、果てしない権力の構造が描かれており、興味深くもある。

滑稽とも、悲惨ともいえる繰り返しに、思わず引き込まれながら読む。
自分たちの理想とするものを実現しようとする健気さが心にしみる一方で、噂話や思い違いとして見過ごすことが繰り返される中で、気がつくと元の生活に戻っていたとは、何とも言えぬ思いが残る。
(J)

 

 

 

「動物農場」