高倉 健  作・朗読
宇崎 竜童 音楽
唐仁原 教久  作画

映画俳優として有名な 高倉 健さん。
やくざ・パーロット・国際的なスナイパー・剣術の達人・田舎の駅長など様々な役を演じる。

映画の撮影で、世界を回る。
その時のいろいろな出来事や人模様を、「南極のペンギン」として、絵本にしている。

私達が、普段は行けそうにもない南極や北極の話。
ブリザードに見舞われ、死を思う。

また、北極に暮らすインド人の話。
その人との思い出。

必死の思いで撮影したオーストラリアの馬乗りの話など、この人ならではの個性豊かな逸話が続く。

この高倉健さんの朗読に合わせて、宇崎竜童さんが音楽を付ける。
一年以上の歳月をかけて作ったらしい。

さりげなく、邪魔にならないで、それでいて朗読の内容をうまく引き出している。

タイトルの「南極のペンギン」も含めて10作品が収められているが、どれも、面白く、かつ心に響き、笑いながら、そして、感心しまた、泣く。

話の中に、非常に厳しい修行として有名な千日回峰行の話がある。
千日間の間、比叡山延暦寺で行われるこの修行で、命を落とした人もいたと聞く。
お寺の朝である午前1時に数珠を持ち山を歩く。
30キロを歩く。
(行の後半は60キロらしい)その行を何年も繰り返し、100日過ぎたころから忍者の如く山を走る。

また、9日間堂入りをする。
9日間の堂入りの間、飲み物も食べ物もない。
ただ、読経するだけ。
顔色は、鉛色から死者のような色になり、身体からは、死臭が漂い、それを焚かれる御香がにおいを消す。
北嶺大行満大阿闍梨(堺雄哉 さかいゆうさい)と呼ばれるその僧は、二度繰り返し千日回峰行をしたという。

多くの人たちと様々な心の触れ合いを簡単な言葉で情緒豊かに表現するこの絵本。
シンプルで、美しい彩の絵で彩られている。
[ちなみに、 私が、 北嶺大行満大阿闍梨にお会いした折には、 彼は、 饅頭を食べておられました。

二度にわたる千日回峰行を終えられた方と聞いていたので、 私は、 緊張しながら挨拶したのですが、 うんうんと頷きながらで、 とても人間らしい感じを覚え ホットしたことを思い出します。

この話は、 私の思い出とダブり、 懐かしく聞いた話でもあります。]

(J)

絵本 「南極のペンギン」