ドン・ミゲル・ルイス  松永太郎 訳  コスモス ライブラリー

メキシコ南部の地に、トルテック~「知識を持つ男女」~がおり、人類学者は、トルテックを1つの種族として語るが、実際は古代からスピリチュアルな知識を求め、伝え、その実践をおこなう社会を形成する人々であったと言う。
そのトルテックのナワール(師)は、古代の知恵の存在を歴史的な背景から表に出してこなかった。
この本に書かれてある知識を賢く使う用意のできていない者、利己的な目的のために使おうとする者たちから隠す必要があったからだそうだ。

男が発見したことは、こうである。
存在するもの全ては、私たちが神と呼ぶ一つの生きた存在の
顕現である。全ては、神である。彼は、人間の知恵は、単に
光を感受している光にすぎないという結論に達した。
そして、物質は鏡であること、全ては光を反射する鏡であり、
その光によってイメージを創り出すことを見た。すなわち
この幻影の世界「夢」は、ちょうど鏡を覆う煙のようなもの
で、私たちの本当の姿を映すのを妨げているのである。
「本当の私たちは、純粋な愛であり光なのだ」と彼は言った。

本文 抜粋

本当の自分が何であるかを知ると、彼は周りを見わたして、
そこで見たものに驚嘆した。彼はあらゆるものに自分を見た。
あらゆる人間・樹木・水・雨・雲・大地の中に自分をみた
のである。

本文 抜粋

最初の約束(アグリーメント)
正しい言葉を使うこと。 

もっとも大切であり、またもっとも守るのが難しい。
正しい(インペッカブル=罪がない)言葉を使う。
言葉は力である。それを表現し、コミュニケートし、考えるための力なのである。そして、それを通じて自分の人生の出来事を創り出していくものでもある。

第二の約束(アグリーメント)
なにごとも個人的に受け取らないこと。

あなたが何を考え、何を感じても、私の問題ではないことを知る。
他の人は、信念のシステムに従って意見を作る。他の人が私について考えることは、私のことではなく、自分たちのことなのである。
もし、誰かが「あなたは素晴らしい」と言ったとしても、それはあなたのせいでいうのではない。また、誰かが「あなたの言うことは、私をしんどくさせる」と言ったとしても、実際に私の言っていることが、あなた(誰か)をしんどくさせているわけでもない。

第三の約束(アグリーメント)
私たちは、ほとんど全てのことに思い込みをする癖がある。

思い込みをすることが問題なのは、私たちがそれを真実と信じるからである。人間の間に起こるあらゆる支配や服従という問題は、思い込みとして物事を個人的にうけとることから来る。

第四の約束(アグリーメント)
常にベストを尽くすこと

今までの3つの約束を本当に身につけたものにするためのものである。
あなたのベストは、時には高い質を持っている。別の時には、それほど高い質をもっていない。
毎日の気分によって、あなたのベストは瞬間、瞬間、日にちによって変化するし、時間の長さを指すわけでもない。
たとえ、質がどうであろうとベストを尽くすことである。

「アグリーメント」という言葉は、合意とか同意、取り決めという意味である。四つの約束は、「自分と結ぶ四つの取り決め」である。

「私」は、本来幻影であり、一つの思い込みに支えられた存在である。
「哲学」とも言えるこの思想・考えを自分の生活の中に取り入れ、今生きている生活の中に光と愛を見る。
スピリチュアリティーは、現実の日々の生活の中に取り入れて、知恵として光り輝く。

実際にこの四つの約束を取り入れた生活にするのは、至難のわざであろう。まず、何を言わんとしているのかを理解するのも時間がかかる。

「私」という人間は、どんな人間か?
知りたくもあり、知りたくもないこと。
この本もおそらくその答えの一つであろう。

彼は、やがて自分の学んだことを全て忘れてしまうことがわかった。
自分が見たビジョンを全て覚えておきたいと思い、自分を「煙に覆われた鏡」と呼ぶことにした。
そうすれば物質は全て鏡であり、その間にある煙が、本当の私たちを見ることを妨げていることをいつも思い出すことができる。
彼は言った。
「私は、煙に覆われている鏡である。
私は、あなた方の中に私自身を見る。
しかし私たちは、お互いの姿をみることはできない。
なぜなら煙が、私たちの間にあるからだ。
その煙こそ『夢』であり、鏡はあなた、夢みる人である。」

本文 抜粋

(J)

四つの約束   THE FOUR AGREEMENTS